お仕立て直しの事例
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愛知県 Y.H様の事例です。
ご依頼内容
洗いに出したら、刺繍部分から色がでてしまい、使えなくなりましたが、使えそうな部分も少しあります。
私が若い頃使っていた大好きな袋帯で、どうしても娘にも締めてほしいので、(切っても構いません)夢結びの帯に作り替えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。お茶会に親子で出席したいので、間に合うと嬉しいです。
初めの帯の状態
左の写真が、最初の状態です。

お客様からお電話でご照会があり、熱意にお答えして、とにかく拝見することに致しました。

一番大事な垂れの部分まで、色がにじみ出て、その他畳まれていた中側にかなりシミになっておりました。

大事なお太鼓部分だけでも、何とか普通に使えないかと染み抜きも考えましたが、帯地の染み抜きは、きものより大変難しいとのこと。

帯地を全部いったん解いて、シミの部分を何とか結んだ時に見えない所になるようにつなぎ合わせることに致しました。かなり苦労しましたが、数カ所を切り、接ぎ合わせる形で下の写真のように一本の帯にしてから夢結びに組み上げました。

垂れの部分 胴の無地部分
良い部分を表に出して接ぎ合わせて、芯を入れ直し、一本にしっかり作り上げてから
夢結びに組み上げた状態です。
欲を言えば、もう少しお太鼓のメインの柄を上に出したかったのですが、何とかお太鼓柄を垂れとあわすことでバランスを取りました。
お客様からの声 店長から一言

大変喜んでいただけて感激です。ありがとうございました。

お茶会にも無事に間に合い楽しい時を過ごされたことがなによりでした。

帯職人の親方もこういうことが職人の一番の喜びなんだと苦労を忘れたようでした。

実は、4年前、自宅が火事で全焼しましたが、
えらいもので桐タンスにあった着物は、全部無事でした。

ただ、その後洗いに出したばかりに、
全焼でも燃え残った貴重な帯が、使えなくなり、
本当に落ち込んでいました。
なので、本当にありがたく、感謝です。
お母様の若い頃の思い出の着物をお嬢様が綺麗に着ることができて本当に良かったです。Y.H様ありがとうございました。
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