こんな仕立てにご注意

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事例その一
左の写真の帯は、表のダブりがひどいとのことで当店に直しの依頼のあった物です。

この帯の不具合は、1番大きな原因は、メーカーによる表と裏の帯の腹合わせ(脇縫いのミシン縫製)が悪かったことではないかと考えられます。ここまでひどいダブりは、表地に対して裏地の長さが釣り合っていないことです。

当店では、このような場合先ずは、お店に連絡するか、お返しして具合の悪い状態を確認してもらうようにしています。めったには、ありませんが、地のしだけでは、直らない品物もあるのです。程度にもよりますが、出来上がりが悪くなるものを分かっていても仕立て上げてしまうことが大変まずいことだと考えます。

この帯に関しては、お店に連絡して腹合わせから当店でやり直させて頂きました。

直し前

次に仕立てに関しては、下の2枚の写真を見て分かるように、芯の閉じ方が10センチ以上の間隔で綴じてあり、しかも芯の巾が左右端から1センチ以上開けてとじてありました。

これでは、表のしわやダブりの他に締めた時に中の芯が動いてしまい、まったく締めごこちの悪い帯なのは当たり前ですね。

当店で腹合わせをやり直して、新しい帯芯を下の写真のように縫い目から1ミリの巾に切り直して、細かく綴じて仕立て直しました。
直し後
表のだぶつきが無くなり、すっきりしました。
事例その二
左の写真は、やはり、両側の耳がつれていて、ミシン縫いの腹合わせが、悪い帯です。地のしも不足しいますので、かなり表がだぶついていますね。それに、なにが帯芯がすっきりしない感じです。

帯を裏返してみると・・・
下の写真のように裏の綴じは、5センチ間隔と粗めでしかも芯の閉じ方が、表にすっきり入らない綴じをしていました。

芯とじ直し前
直し前
閉じ方が、何か変ですね。これでは芯がすっきり表になじみません。
芯とじ直し後
かなり表のダブりがひどいですね。
直し後
縫い目を出来るだけのばして地のしをやり直して、細かく芯を表の耳にとじ直しました。
お客様の意向で腹合わせはやり直せませんでしたが、ずいぶん良くなりました。
帯の腹合わせからやり直せばもっと完全に直りますが、裏地がこれ以上地のしでは、のばしきれないのでこれが限界でした。もともとメーカーの腹合わせが悪いのも原因と思います。
仕立て直し後の裏表です。かなり良くなったと思います。
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